毎月100万円の手当と、それに契約金200万円という激し過ぎる高額提示をしてくれたため、私はすっかりその気になってしまっていたのです。
まだ会ったこともない人と契約を済ませた気持ちになり、これで自分の車を購入することができると思い込んでいました。
彼に言われて面接をすることになったのですが、緊張よりも喜びの方が強くなってしまっていたのです。
憧れのマイカーを購入することができるのですから、それはしかたがなかったことかもしれません。
とってもワクワクした気分で、メール交換をした男の人と会ってお茶をしながら会話になりました。
「メールで書いた通りの金額で大丈夫かな?」
「はい、私はその金額でがっちり大丈夫です」
「良かった、とっても可愛い女子大生だからこちらもぜひ愛人契約したいって思っているよ」
とっても嬉しい一言を言ってくれて、これで契約が完了だって思ってしまったのでした。
しかし、彼の口から思わぬ発言が飛び出してきたのでした。
「契約をするに当たって、まずは契約金の支払いをしたいと思うんだ。
それで君のキャッシュカードを預からせて欲しい」
口座番号を聞かれるものと思っていたのに、いきなりキャッシュカードを預けろうというのです。
これにはさすがにポカンとしてしまいました。
振り込むためにキャッシュカードは必要ありません。
「それと、お互いの信頼関係を築くためにも、暗証番号を教えてくれないか?」

暗証番号を?いったいなんで支払うためにそれが必要なのか?
「それはなぜ必要なのですか?」
「初めてのもの同士だからね、やっぱり信頼関係とか作っていかないといけないわけだ。
いろいろ精査したい部分もあるからね」
「だけどキャッシュカードや暗証番号は必要ないんじゃないですか?」
「いやいや、初対面だからこちらもあなたがどんな人か知りたい、だから精査したいんだよ」
なんだかんだと言い訳ばかり、これじゃこないだ記者会見やっていた舛添都知事みたいじゃないかと思ったのです。
なにを精査するんだよって感じでした。
「そちらが信用できないのだったら、今回の契約はなかったことにしよう」
こうして話は終わってしまいました。